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デジタル採点システムの導入で定期テストを効率化できる?
定期テストの採点は膨大な時間を要するうえに、ミスが許されないというプレッシャーもあり、教員にとって大きな負担です。手作業での採点業務は長時間労働の一因となっており、教員の働き方改革を実現するためには、採点作業の効率化が欠かせません。ここでは、定期テストの採点をデジタル化するメリットやデメリット、負担を減らすための具体的なポイントについて解説します。
定期テストをデジタル採点化するメリットとデメリット
メリット
採点時間を短縮できる
デジタル採点システムを利用すると、同じ設問を全生徒分まとめて連続して採点できるため、答案用紙を1枚ずつめくって確認する従来の方法よりも圧倒的に効率が上がります。画面上のクリック操作やショートカットキーを活用することで、わずかな時間で大量の解答を処理でき、採点ミスのリスクを大幅に軽減できるのも大きな利点です。
データを自動で集計、活用できる
手作業による得点の集計は時間がかかり、計算ミスや成績管理システムへの転記ミスが発生しやすい工程です。デジタル採点であれば、採点と同時に得点が自動集計され、CSVデータなどで簡単に出力可能です。採点後のデータを分析して設問ごとの正答率やよくある間違いの傾向を即座に把握できるため、クラス全体の学習状況に合わせた補習指導や、次回の授業計画の改善などに有効活用できます。
テストを迅速に返却できる
採点業務の時間が短縮されることで、テスト実施後スピーディーに答案を返却できるようになります。テストの記憶が新しく、生徒の関心が高い状態のまま見直しができるため、学習の振り返りや復習の質が向上します。定期テストだけでなく、日々の小テストに導入すれば、その場での補足説明が可能になり、知識の定着率をさらに高められるでしょう。
デメリット
初期費用や運用コストがかかる
多機能なシステムを導入する場合、初期費用や定期的なライセンス料などの導入・運用コストが発生します。また、教員がシステムの操作に慣れるまでの学習コストも考慮しなければなりません。さらに、デジタル採点を行うためには生徒の答案をスキャンして画像化する工程が必須です。定期テストのように全校一斉にテストが実施される時期には、複合機(スキャナー)の順番待ちが発生する懸念もあります。
手書き文字の識別に限界がある
自動採点機能(AIによる文字認識)を利用する場合、文字の乱れや薄さ、独特な書き癖などが原因で、AIが誤認識を起こしたり、識別エラーになったりする可能性があります。判別できなかった箇所は結局教員が目視で確認し、手動で修正する手間が発生するため、期待したほど効率化を実感できないケースも存在します。
複雑な採点に対応できない
数学の複雑な計算過程や、国語・英語の長文記述、独自の言い回しなどを含む解答は、AIが正誤を画一的に判定するのが困難です。とくに、部分点を与える必要がある記述問題の評価には、教員による目視確認と専門的な判断が欠かせないため、完全な自動化は難しいのが現状です。
デジタル採点システムは個人や無料で使える?
無料アプリは便利だが、定期テスト(多人数)には不向きなことも
デジタル採点システムの中には、無料で提供されているものや個人向けアプリも存在します。しかし、無料版では処理できる答案の枚数や登録人数に上限が設けられていることが多く、自由記述の採点が対象外となっているなど、学校規模での定期テスト運用にはスペックが不足しがちです。
また、データ分析機能や外部システムとの連携など、実務に不可欠な機能が制限されているケースも珍しくありません。さらに、生徒の氏名や成績といった機微な個人情報を取り扱うにあたり、無料ツールのセキュリティ水準やトラブル時のサポート体制に不安が残る点も、デメリットとして挙げられるでしょう。
定期テストをデジタル採点化するポイント
解答欄をはっきりさせる
テスト用紙を作成する際、解答枠を明確にし、サイズを統一することで、スキャン時の読み取り精度が向上します。枠を少し大きめに設定すると文字がはみ出しにくくなり、採点作業がスムーズになります。また、文字が薄いとスキャン画像が不鮮明になるため、普段から濃い鉛筆でしっかり書くよう生徒に指導しておくことも重要です。
解答欄同士の間隔が狭いと、システムが隣の解答と混同して誤認識する原因になります。適切な余白を確保し、記述式の解答欄には文字数に応じたマス目や行数を設けることで、部分点の基準設定や文字数カウントが容易になります。
問題用紙と解答用紙を分ける
デジタル採点を前提とする場合、問題用紙と解答用紙を完全に分離することを推奨します。解答用紙に問題文などの不要な情報が含まれなくなるため、システムが解答枠を自動認識しやすくなり、データ処理速度が向上します。また、スキャンする枚数そのものを最小限に抑えられるというメリットもあります。
記号問題と記述問題の配分を考える
文字認識によるエラーを防ぐため、記号問題や選択式の問題を適度に増やすことが、採点効率を高めるコツです。選択問題では、「ア・イ・ウ」などの記号を1つの枠につき1文字だけ書かせる形式にすると、誤認識を大幅に減らせます。
一方、記述式問題を含める場合は、採点基準(キーワードが含まれているかなど)を事前に明確化しておくことで、画面上での目視採点をスピーディーに進められます。
定期テストにデジタル採点システムを導入した事例
テストの採点時間を1/4に短縮
岐阜大学教育学部附属小中学校の事例です。教員の働き方改革を推進するため、限られた予算内で導入可能なデジタル採点システムを採用しました。従来は320分かかっていた4クラス・160人分の採点および成績データ入力を約70分に短縮でき、飛躍的な業務効率化を実現しています。
時間の削減だけでなく、設問ごとの回答一覧表示や正答率の即時把握が可能になり、教員自身の指導方法や出題の意図を見直すきっかけにもつながっています。今後は蓄積された分析データを生徒指導へさらに深く活用していくことを目指しています。
参照元:スキャネット(https://www.scanet.jp/digi-rakuPP/)
事前設定が簡単で移行しやすかった
私立灘中学校・高等学校の事例です。導入を検討していた際、トライアル版を使用した教員の間で操作性の高さが評価され、本格導入に至りました。事前設定がシンプルで直感的に操作できるため、ICT機器に不慣れな教員でもスムーズに移行できました。自動集計による計算ミスの撲滅、転記作業の省略、採点基準の統一といった確かな導入効果が得られています。
参照元:株式会社教育ソフトウェア(https://www.kyoikusw.co.jp/wp-content/uploads/2023/08/customers-voice-saiten-navi_nada.pdf)
定期テストの採点時間を大幅に削減
福岡市立東光中学校の事例です。ICTの積極的な活用方針のもと、業務負担軽減を目指して導入されました。定期テストの採点時間が従来の約1/3に短縮され、残業時間の削減に大きく貢献しています。集計データからクラス全体の弱点や個人のつまずきを即座に把握できるため、テスト後の分析やフォローアップにかかる時間も効率化されました。
採点スピードが向上したことで、テストを当日中に返却できるケースも増え、生徒の学習モチベーション向上という相乗効果も生み出しています。
参照元:DNP(https://www.dnp.co.jp/biz/case/detail/20173089_4968.html)
定期テストの採点負担を減らすならマークシート採点がおすすめ
デジタル採点は非常に便利ですが、完全無欠ではありません。記述式や手書き文字の場合、文字の乱れや枠外へのはみ出しによって判別エラーが起こり得ます。エラー箇所を教員が手作業で一つひとつ修正していては本末転倒でしょう。そこで、より効率化を求めるなら「マークシート形式」を活用することをおすすめします。
認識エラー率を下げ確認の手間を減らす
マークシート形式は生徒の文字の綺麗さに影響されず、指定箇所の塗りつぶし有無だけで判定するため、極めて高い精度で瞬時に採点が完了します。手書き文字認識(OCR)特有の誤認識リスクがなく、見直しや手動修正の手間を最小限に抑えられます。
専用機が不要で学校の複合機・プリンターでできる
かつてのマークシート採点には、高額な専用読み取り機(OMR)と専用用紙が必要でした。しかし現在のシステムは、一般的な普通紙に印刷したマークシートを学校に設置されている通常の複合機でスキャンして採点できるものが主流です。新たな専用機器を購入する必要がなく、初期コストを抑えてすぐに運用を開始できます。
記述問題は手採点、客観問題はマークシート
定期テストにデジタル採点を導入する際、AIの誤認識を避ける目的ですべての問題を選択式(マークシート)にしてしまうと、生徒の思考力や表現力を測ることが難しくなります。そこでおすすめなのが、マークシートと記述式を1つのテスト内で併用するハイブリッド運用です。
単語や記号を答える客観問題はマークシートで自動採点し、思考力を問う記述問題のみを教員がシステム上で目視採点することで、テストの質を維持しながら最大限の業務効率化を図ることができます。
定期テストのデジタル採点はマークシート式をうまく使って効率化
定期テストにデジタル採点システムを導入することで、教員が抱える採点業務の負担を大幅に削減し、生徒に向き合う時間を創出できます。手書き文字の認識エラーによる修正の手間を防ぐには、普通紙対応のマークシート式を組み合わせる方法が非常に有効です。
以下の2社は、マークシート形式と記述式問題のハイブリッド採点に対応したシステムを提供しています。定期テストの運用改善や教員の業務効率化を検討している場合は、ぜひ詳細を参考にしてください。
記述式にも対応できる
おすすめのマークシート会社2選
スキャネット
引用元:スキャネット公式HP
(http://www.scanet.jp/)
- 集計/採点用ソフトの費用
- 無料ソフトあり※有料ソフト99,000円~
- 取り扱っている
読み取り機の種類
- スキャナ44,000円~
- 導入にかかる最低費用
- 48,180円
教育ソフトウェア
引用元:教育ソフトウェア公式HP
(http://www.kyoikusw.co.jp/)
- 集計/採点用ソフトの費用
- 107,800円~
- 取り扱っている
読み取り機の種類
- OMR※費用は要問合せ
- 導入にかかる最低費用
- 622,600円
【調査対象】
2023/5/8時点、Google検索で「マークシート 導入」と調べ、検索結果に表示された上位50社を選出。
【選定基準】
その中でマークシート、集計/採点用ソフト、読み取り機の金額が明記されている2社をピックアップ。