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ストレスチェックの実施義務は事業者に対して課せられているもので、労働者に対して受検義務は定められていません。そのため、従業員からストレスチェックの受検を拒否された場合、企業として従業員へ強制的にストレスチェックを受けさせたり、高ストレス者として面接指導を受けさせたりといったこともできません。
しかし、ストレスチェックの適正な実施と、それによる労働者のメンタルヘルスケアは企業に課せられた義務であり、企業はストレスチェックを拒否する従業員に対しても、可能な限り必要な配慮をすることが求められます。
従業員がストレスチェックを拒否したからといって、それだけでストレスチェックの実施を止めてしまうと、労働基準監督署から企業として労働者に対する安全配慮義務を果たしていないと見なされてしまう恐れがあります。
そのため、ストレスチェックを拒否する従業員がいるということは、本人のメンタルヘルスに関する健康リスクを放置することに加えて、企業として法的なリスクや労務リスクを抱えてしまうことにもなり、早急な対策が必要といえるでしょう。
ストレスチェックを拒否する従業員がいた場合、企業としてまず考えるべきことは、ストレスチェックを実施する意義や目的について改めて全従業員へ周知徹底し、ストレスチェックを受けることが従業員にとってのメリットにつながると説明することです。
ストレスチェックは、職場の労働環境や人間関係などにもとづいて、労働者のストレス状態を確認するためのもので、時には本人も自覚していない精神的な問題やリスクを早期発見することができます。
厚生労働省が公開している「ストレスチェック制度関係 Q&A」によれば、ストレスチェックについて企業が労働者へ目的を説明し、受検を推奨する頻度や方法については、それぞれの企業の状況を踏まえて衛生委員会で検討し、対応するようにと求められています。
重要な点は、各事業場に所属する労働者の全員に対して、きちんと意義を周知徹底してストレスチェックへの理解を深めてもらうことであり、例えば勧奨を何回したから法的に問題ないといった規定はありません。
そもそもストレスのない労働環境を目指す上で、従業員とのコミュニケーションや健全な労務管理は必須の課題であり、現場の実態に即した対策を考えることが大切です。
ストレスチェックの結果によって、高ストレス者と診断されれば産業医の面接指導を実施する対象となります。ただし、産業医の面接指導は、ストレスチェックの診断結果がなくとも、企業の日常的なメンタルヘルスケア対策として実施することが可能です。
ストレスチェックに対して明確に拒否の意思を示す人については、何らかのメンタル面の問題や仕事上の不安などを抱えている可能性もあり、必要に応じて産業医の面接指導を勧奨するといった対策も有効です。
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