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ストレスチェックをやっていない場合の問題点

労働安全衛生法の改正によって、2015年12月1日から一定条件を満たす企業においてストレスチェック制度が義務化されましたが、実際にはストレスチェックをやっていないという企業も少なくないようです。しかし、ストレスチェックは法律によって実施を定められている義務であり、適正に実施しないことは事業継続において大きな問題になることもあります。

このページでは、ストレスチェックをやっていない場合のリスクや罰則といった問題点について、詳しく解説しています。

ストレスチェックをやっていない場合の罰則

ストレスチェックの実施は法的義務

常時使用する労働者が50人以上の事業場において、適正なストレスチェックを行い、結果に応じた対策を取ることは労働安全衛生法によって定められている企業の義務です。そのため、条件に適合する企業や事業場において、ストレスチェックをやっていないことは、明確な法律違反になるという認識を持つ必要があります。

また、ストレスチェックをやっていないことの発覚や、ストレスチェック実施後の申請など、適正な処理を行っていない場合、同法の罰則規定に従って罰則金の支払いなどの処分が下されることもあるでしょう。

そのため、ストレスチェック制度の実施条件に当てはまる事業場であれば、少なくとも年1回のストレスチェックを実施して、その内容を労働基準監督署へ報告しなければなりません。

(PDF)参照元:厚生労働省「改正労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度について」

ストレスチェックをやっていない場合は50万円以下の罰則金

ストレスチェックを実施していない場合や、その他の違反が認められた場合、最大50万円という罰則金の支払いを科せられます。

ただし、ストレスチェックの未実施が発覚しても、直ちに罰則金の支払い命令が下されるわけでなく、まず労働基準監督署から事業場に対してストレスチェックの実施や問題の是正勧告が行われます。

その上で、定められた期間内にストレスチェックを実施して、適正に報告することで、罰則金の支払いを免れられることもあるでしょう。

ストレスチェック制度で罰則金が科せられる条件

ストレスチェック制度において違反とされるケースには、主として以下の3つの条件が考えられます。これらのうち、1つでも条件に当てはまった場合、罰則金が科せられるため注意してください。

ストレスチェック未実施に対する罰則金以外のペナルティ

ストレスチェックを実施せず、労働基準監督署からの是正勧告にも従わなかった場合、労働基準監督署は事業場や企業に対して「労働者が安全に働ける環境づくりを怠っている」と判断する恐れがあります。

事業者は労働者に対して、安全に働けるよう環境を整備し、労働者の心身の安全を守れるよう配慮する義務があり、問題点があれば速やかに対策を立てて問題を改善しなければなりません。

ストレスチェック制度はそもそも、労働者のメンタルヘルスを確認して、心身の安全を守るためにと採用された制度です。そのため、ストレスチェックを実施しないことは、労働者のメンタルヘルスを危険にさらしていると判断される恐れがあり、場合によっては安全配慮義務違反として抵触するかもしれません。

事業者の安全配慮義務違反が認められた場合、企業や事業場の評価が悪くなるだけでなく、時には損害賠償請求訴訟へ発展することも。さらに、社会的に問題のある企業として社名を公表される恐れもあります。

ストレスチェックをやっていないことは、単に50万円を支払って済む問題でないと理解しておきましょう。

ストレスチェックをやっていない事業場は少なくない?

中小企業ほどストレスチェックに対する認識が甘い?

厚生労働省が2017年6月に、「ストレスチェック制度の実施状況」について調査を行ったところ、きちんとストレスチェックを実施して、その内容を所轄の労働基準監督署へ報告した事業場は、ストレスチェックを義務づけられている事業場の82.9%にとどまっていることが発覚しました。

ストレスチェック制度の実施から2年近くが経過してなお、およそ2割の事業場において法的義務が適正に守られていなかったという状況は、労働者の安全を考慮すれば歓迎されるものではありません。

また、事業規模ごとの実施状況を見ると、対象となる労働者が1000人以上の事業場においては99.5%という実施率に対して、100~299人では86.0%、50~99人の事業場では78.9%と、事業場の規模が小さくなるほどにストレスチェックの実施率が下がっていくことも分かりました。

これは、大手企業ほど社会的責任への意識が強く、労働者の福利厚生についても配慮している現れだと考えられます。一方、事業規模が小さい事業場では、ストレスチェックを実施する余裕がなかったり、そもそも労働者の福利厚生に対する意識が十分に育っていなかったりという状況が懸念されるでしょう。

(PDF)参照元:厚生労働省「ストレスチェック制度の実施状況」

思いがけず違反になるケース

ストレスチェック制度においては、ストレスチェックの実施そのものは義務づけられているものの、実施時期については「少なくとも年に1回」という規定があるのみです。また、1年という期間も「前回のストレスチェック実施日より1年以内」と定められ、年度開始が基点になるといったこともありません。

ここで注意すべき点は、従業員の中途採用などによって、ストレスチェック制度の実施対象者となる労働者が増えた場合です。

例えば、それまで労働者が49人でストレスチェックの実施義務を負っていなかった事業場であっても、新しい労働者の採用によって50人となれば、その時点でストレスチェックの実施義務が生じます。

従業員の数がギリギリの事業場や、業務拡大に伴って新卒採用や中途採用の枠を拡大しようと考えている事業場であれば、ストレスチェック制度についても細かく確認して、必要な準備をしておかなければなりません。

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