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マークシートの読み取りは高精度だから安心
入学試験や資格試験、アンケート集計など、さまざまなシーンで活用されているマークシート。作業時間の短縮や正確な採点・集計ができることから、業務の効率化に役立っています。
読み取りエラーなどで誤読が発生する確率はどれくらいあるのでしょうか?
マークシートは読み取りエラーが起こりにくい
まず、読み取りエラーの確率について見てみましょう。
平成27年3月にマークシート方式モデル実施校で行われた試験の結果、マークシートリーダー「OMR」による読み取りエラーは、回答方法が記号選択方式の全教科合わせて0.0087751%と、約0.01%にも満たないといわれています。
読み取りエラーの主な原因は
- 消しゴムくずの影響でマークが2箇所あると判断された
- マークの色が薄く、マークなしと判断された
といったもので、「正しくマークされたものを誤読する」という読み取りエラーは見つかりませんでした。
また、受験番号の読取に関してはエラー発生率約0.6%と高めでしたが、これは受験者による受験番号のマークミスやマークの塗り忘れによるもので、マークシートリーダーが原因のエラーではありませんでした。
この結果からも、マークシートの読取機能がいかに精度の高いものかがわかります。
試験でよくマークシートが利用されていますが、マークシートを誤読してしまうと、点数に大きく響く事態に…。そのため、誤読率の低い読み取り機が欲しいわけですが、すでに誤読率が0.01%を切るくらい現在の読み取り機は高性能です。
マークシートを導入する?まずは事例をチェック
マークシートと聞くと、真っ先に思い浮かぶのはテストや試験、企業アンケートなどでしょう。ただ、マークシートは集計をするだけのツールではありません。
導入するソフトによっては、テストやアンケート結果をもとにした分析まで、より簡単に手間なく行えるのです。
実際の導入事例をぜひチェックしてみてください。
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マークシートの導入事例を見てみる
OMRとスキャナの平均価格やスペックまとめ
スキャナの読み取り機
Oと比べると、読み取りの精度はOMRに劣ります。
スキャナとは、原稿に書かれてある文字やデータを読み取る機械のこと。OMR(光学式マーク読取装置)とは違い、マークシートを読み取る専用機械ではありません。パソコンにマークシートを読み取るソフトを導入することで使用可能になります。
スキャナの性能によって左右される面もありますが、物によっては高精度で読み取りができ、導入する時のコストはOMRより安く抑えられます。
平均価格 |
平均4~5万円 |
スペック |
■1分間で25枚、50面の読み取りが可能 ■導入するスキャナの性能によって左右される |
OMRの読み取り機
OMR(光学式マーク読取装置)は、スキャナに比べて読み取り速度や画像を解析する性能が優れています。スキャナでは読み取ることのできないものでも、OMRでは読み取ることが可能です。膨大な読み取りが発生する検定試験など、ミスが許されない場面で活躍しています。
平均価格 |
30万円~ |
スペック |
■1分間で100枚~200枚読み取りが可能 ■99.9%の高精度の読み取りが可能 |
マークの読取に特化した高精度リーダー「OMR」とは
マークシートリーダー「OMR」は、Optical Mark Readerの頭文字からつけられた名称で、日本語で「光学式マーク読取装置」という意味です。その名の通り、マークシートに光をあて、その反射光を読み取ることでマークを認識する仕組みになっています。
数字や文字の認識はできませんが、マークの認識に特化した専用センサーによって高度な読み取り精度を実現しています。
国家試験など誤読による採点ミスが許されないシーンでは、必ずと言っていいほどOMRが使用されており、非常に信頼性の高いマークシートリーダーです。
マークの濃度によって感度を16段階で設定できる
OMRは、マークを16段階の濃度に分類して感知します。マークが濃いほど数値は高く、薄いほど数値は低くなります。この16の濃度レベルによって読取感度を設定することができ、設定感度を低くするほど薄いマークを読み取るようになります。
専用のマークシートやソフトウェアのダウンロードが必要
OMRが持っている処理スピードや確実性を発揮するには、OMR専用のマークシートを使用する必要があります。
普通紙やコピー用紙は使用できないので注意してください。
また、使用の際は読み取りたいマークシートに合わせたソフトウェアのダウンロードが必要です。
マークシートの読み取り精度をより詳しく
マークシート式の採点・集計時の誤りが起きる確率が低いのは、間違いありません。
一方で、読み取りのタイプや読み取りが優れているからこそ起こる問題というものもあります。マークシートの読み取り精度を支える仕組みや読み取りの方法をより深く知ることで、エラーが起きた時も問題なく対応できるようになるでしょう。マークシートの読み取りの仕組みをまとめました。
炭素と可視光による読み取り
センター試験をはじめとして、マークシート式の答案方法を採用する試験ではよく鉛筆で記入するよう指示されますが、鉛筆での記入を推奨する理由があります。
鉛筆の使用を推奨するタイプの試験は、用紙に付着した炭素に反応する近赤外線を使用して回答を読み取みタイプの機械が使用されています。しっかりとマークシートの内側が塗りつぶされていたとしても、ボールペンなど炭素を含まない筆記用具で塗りつぶされた回答はNGと考えて良いでしょう。
鉛筆以外にも炭素を含む水性サインペン、ゲルポールペンや黒の色鉛筆、墨汁といった筆記用具を使って塗られたマークは、正しく読み取られる可能性があります。試験での読み取りエラーが出た際は、該当する筆記用具に思い当たれると、説明や判断がしやすくなります。
アンケートや各種調査など、マークシート記入者の使用する筆記用具を指定できない場合は、さまざまな種類の筆記用具に対応しなければなりません。その場合は、近赤外線ではなく光を利用してマークシート内の色の濃淡を読み取るタイプのリーダーが使用されます。
光を当てて読み取るタイプの場合は、光の色を変更することでさまざまな色の筆記用具に柔軟に対応することができます。
赤色の筆記用具を使って塗りつぶされたマークは、赤色の可視光線で読み取ることができません。同化してしまい、読み取れない状態になるからです。こういった場合は緑色の光線に切り替えれば、問題なく読み取ることができます。
炭素だけに反応する近赤外線を使用するリーダーに比べ、光を当てて読み取るするタイプのマークシートリーダーのほうが、鉛筆だけでなく幅広い筆記用具に対応できるため優れているように思えます。
ただ、光を扱うマークシートリーダーは、ある程度の濃さをもったさまざまな色に反応してしまうため、マークシートの用紙自体の色に制限が出てしまうというデメリットも。
マークシートリーダーの特性を理解しておくと、読み取りエラーといったトラブルが発生した際にも落ち着いて対応ができるでしょう。
塗りつぶし以外でも正しく読み取ってしまうことがある
試験を行う際の注意喚起として、マークシートの内側はしっかりと塗りつぶすこと、回答を訂正したい際は消しゴムで塗りつぶしをしっかりと消すことなどのアナウンスをするでしょう。実際のマークシート読み取り機の精度は多くの人が思っているよりも高く、横線や縦線、さらには点といった記入にも注意をしておく必要があります。
「マークシート内に余白がある記入は読み取られない可能性がある」と注意されますが、実は反対で、読み取られてしまうことがあります。マークシートリーダーが読み取っているのは、マーク位置に書かれた記述の濃さなのが要因です。
マークシートリーダーは、マーク内の塗りつぶしを一つひとつ「形」で読み取っているわけではありません。横線や縦線、点によるマーク以外でも、マーク枠からずれた塗りつぶしや消しゴムで十分に消されていない塗りつぶしも、十分に読み取られてしまう可能性があります。
また、隣接するマークにはみ出した塗りつぶしは、隣接したマークシートも含めて回答として読み取られてしまう可能性も。
マークシートリーダーは高い精度を誇り、試験の効率化をサポートしてくれますが、こういったケースでの読み取りエラーや誤答がある可能性にも注意しておくと良いでしょう。
読み取られる筆記用具と、読み取られない筆記用具
マークシートリーダーの種類に合わせて、読み取りできる筆記用具の種類は変わってきます。
近赤外線を使用するマークシートリーダーの場合
鉛筆がマークの塗りつぶしで重要とされるのは、炭素を含んでおり濃い塗りつぶしができるためです。鉛筆であれば、近赤外線タイプであっても可視光線タイプであっても、基本的に正しく読み取られます。
鉛筆の注意は、使用する鉛筆の濃さだけです。4Hといった、美術や製図などで使われる極端に濃度の薄い鉛筆の使用は控えるように伝えましょう。一般的に使われる2BやHBといった濃さの鉛筆であれば、問題なく使用できます。
炭素でマークを判断するマークシートリーダーを使う場合は、ボールペンの使用も注意しておきましょう。油性ボールペンや水性ボールペンは正しく読み取られる可能性が非常に低く、注意が必要です。ボールペンの中でも、ゲルインクタイプといった特定の種類のボールペンは読み取られる可能性がありますが、推奨できるものではありません。
炭素を含む筆記用具であれば、鉛筆の他に墨汁や木炭、水性サインペンや黒の色鉛筆、黒の絵の具やホワイトボードマーカーでも読み取られたという実績もあります。
油性ボールペン・水性ボールペン・油性サインペン・万年筆・筆ペンなどは、正しく読み取られないと考えても良いでしょう。
可視光性を使用するマークシートリーダーの場合
筆記用具はほとんど問題なく読み取られます。その代わり、黒以外の色を使う筆記用具は、マークシートリーダーが使用する可視光線の色と同化してしまうと、正しく読み取られない可能性が非常に高くなります。
その場合には機械側の光線の色を変えることで対応できるようになります。
マークシートリーダーの読み取り精度を支える技術
マークシート用紙のシマシマについて
マークシートリーダーは、用紙の端に印刷されたタイミングマークと呼ばれるバーコードとよく似たマークを起点として、用紙全体を縦横の座標として把握します。
座標上のそれぞれの区画内の明暗をマークの有無として読み取っていますが、マークの判別はマークシートが塗りつぶされているかいないかといった「有・無」の二元的な判別ではなく、濃さで段階的に判別してくれるのです。
マークシートの読み込み精度が高い理由でもありますが、同時にこのタイミングマークがあるから必要な部分を読み取るだけで済み、紙全体を読み込まないからスピードある処理が可能になっているのです。
また、マークシートのレイアウトやデザインを変えても精度に問題が出ないのもタイミングマークがあるからこそ。模様にしか見えないような小さな工夫ですが、エラー率を下げる大きな役割を果たしているのです。
マークシート用紙を使ったほうが精度が高くなるのは当然ですが、学校や塾、企業などでは新たに専用のリーダーを導入するのが難しいケースもあるでしょう。一般的な環境であれば、スキャナとソフトを使って普通用紙でも十分なケースが多いため、まずは現在の設備を利用したマークシートの導入を検討してみてください。
低コストなのにしっかり読み取る「スキャナ」対応のマークシートに注目
近ごろは、スキャナの読み取り精度が上がってきており、マークシートはもちろん、QRコードのような複雑な画像を読み取ることができます。
新しいスキャナは、一度に多くの文書をスキャニングでき、精度の高い文字認識に必要な画像処理機能を搭載しているのが特徴です。
画像処理機能とは、選択した色の情報を除いて読み取りを行う「ドロップアウトカラー」機能や、カラー・グレー・モノクロ画像を一度に読み取って出力できる「マルチイメージ出力」機能のこと。
読み取る帳票に応じて最適な画像を出力できる「2値化画像処理技術」機能や読み取った画像と数パターンの画像処理結果を画面で確認できる「アシストスキャン」機能もあり、これらの機能が文字認識率の精度の高さを支えています。誤読を防ぐこともでき、安価で入手可能です。
これを機に「スキャナ」対応のマークシートに注目してみてはいかがでしょうか。精度の高いスキャナは、官公庁や銀行、保険会社など世界中のシビアな読み取り精度を要求する分野で多く採用されています。
スキャナで読み取れるマークシートを使った人の口コミ
採点のために事務室まで行かずに済み、時間短縮につながった
語学テストの作成にスキャナで読み取れるマークシートを利用しました。扱い方に慣れると、採点処理が非常に早くなって便利です。空いた時間を研究に当てらえるのも嬉しいですね。マークシート処理の際に専用機が必要ないため、これまで事務室に出向いて専用機で処理していた時間がなくなりました。
処理にミスがなく費用が低価格で大満足
試験や出席管理に利用しています。初めてスキャナで読み取れるマークシートを使用したときは、無料でここまでできるんだととても驚きました。マークシートの購入代金くらしか費用がかからず、無料ソフトがダウンロードできるのも魅力です。アップデートが頻繁なので、安心して使えます。今のところ読み取り精度は100%と、ミスがないので大満足です。
読み取りエラーが出なかったのが◎
小学生にマークシートによるアンケートを実施したところ、塗りが雑ではみ出していたり、薄かったりと、きちんとマークを塗れていませんでした。集計時に読み取りエラーが出るかヒヤヒヤしましたが、まったく出なかったのでありがたかったです。
学習効率の向上に役立っています
授業時に実施している小テストの返却を簡単にできるので、とても助かっています。学生一人ひとりに、それぞれコメントを出せるのも便利。学生からもすぐに答案が返却されるため、素早く復習できると好評です。学習効率の向上に寄与していると思います。
集計が楽で先生方の負担軽減になりました
学校評価アンケートにスキャナで読み取れるマークシートを使いました。集計が楽にできるので、先生方の負担がかなり軽減できましたよ。使い勝手にとても満足できたので、校内アンケートを行うためマークシートを追加で申込みました。活用したいと思います。
誤認を防いで低コストを実現するなら「スキャナ」を選んでみよう
本来、マークシートの読み取りは、OMRが行っていました。しかし、技術の発展とともにスキャナの読み取り機能も向上し、高画質かつ高精度な画像取り込みが可能となったため、スキャナのマークシート読み取りサービスが登場しています。
国家試験といった絶対にミスが許されないケースを除けば、スキャナでも十分にマークシートの読み取りは可能です。スキャナを使って安く手軽に、小規模なものからマークシートを導入してはいかがでしょうか。
マークシートの無料版ってあるの?
無料のマークシートがあるのをご存じでしょうか?企業によっては無料でマークシートを提供してくれているところもあります。
下記ページでは無料版のマークシート用紙・ソフトを取り扱っている会社を調査しました。有料版マークシート用紙・ソフトと無料版の違い、コスパの良いマークシート読み取り機(スキャナ)に関する情報などもまとめています。
無料版マークシートに興味がある方は参考にしてみてください。
記述式にも対応できる
おすすめのマークシート会社2選
スキャネット
引用元:スキャネット公式HP
(http://www.scanet.jp/)
- 集計/採点用ソフトの費用
- 無料ソフトあり※有料ソフト99,000円~
- 取り扱っている
読み取り機の種類
- スキャナ44,000円~
- 導入にかかる最低費用
- 48,180円
教育ソフトウェア
引用元:教育ソフトウェア公式HP
(http://www.kyoikusw.co.jp/)
- 集計/採点用ソフトの費用
- 107,800円~
- 取り扱っている
読み取り機の種類
- OMR※費用は要問合せ
- 導入にかかる最低費用
- 622,600円
【調査対象】
2023/5/8時点、Google検索で「マークシート 導入」と調べ、検索結果に表示された上位50社を選出。
【選定基準】
その中でマークシート、集計/採点用ソフト、読み取り機の金額が明記されている2社をピックアップ。