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このページでは、ストレスチェックがメンタルヘルス不調者に対する一次予防として考えられている理由や、実際の活用法などを詳しく解説しています。
ストレスチェック制度の目的は、厚生労働省がマニュアル化した質問項目などを活用し、労働者に対してアンケート調査を行い、その結果によって労働者のストレス状況やメンタルヘルスについて正しく把握することです。
また、ストレスチェックによって高いストレスを感じていると判明した労働者(高ストレス者)に対して、本人に分析結果を通知することで高ストレスの自覚を促し、適切な対策へ積極的に取り組む意識を向上させることも、大切な目的の1つです。
当然ながら、ストレスチェックは労働者の心の状況を簡易的に診断するためのテストであり、ストレスチェックだけでメンタルヘルスの状態を改善までは望めません。しかし、ストレスの自覚や、メンタルヘルスについて意識を向けるきっかけになるでしょう。その結果、ストレスチェックはメンタルヘルス不調の一次予防として重要な役割を果たしています。
厚生労働省の指針によれば、メンタルヘルス不調の一次予防としては、まず労働者が自分自身のストレスやメンタルについて正しく自覚することが大切だとされています。
実際、日本では数多くの労働者が業務内容にストレスや不安を感じているとされる反面、本人がそのような心の健康状態に気づいていない場合も少なくありません。そのため、精神的な症状や肉体的な症状が現れて、初めて問題が発覚するケースがあるのです。
予防のためにも問題意識の共有や、それぞれの労働者が自身の状態の把握などが、メンタルヘルス不調に関する予防対策として大きな意味を持っています。
ストレスチェックがメンタルヘルス不調の一次予防として機能する理由は、労働者本人の自覚を促せるだけではありません。
事業者もまた、ストレスチェックの結果を総合的に分析して、従業員のストレス状態を客観的に把握することで、社内のどこに注目し、どのように労働環境を改善していけば良いか考えるヒントを得られます。
ストレスチェック制度では、個々の結果について労働者本人への通知が行われるため、実施企業がそれぞれの労働者のメンタルヘルスについて個別に知ることはできません。労働者本人が事業所へ申告すれば、会社として結果を把握することもできますが、事業者の側から結果の提出を強制することは禁止されています。
しかし、匿名のビッグデータとして、社内全体のストレスチェックの結果を集団分析し、実際の社内環境や労働条件がどのように労働者へ影響しているのか、検討することはできます。
ストレスチェックを定期的に実施することで、高ストレス者の早期発見を可能にしたり、そもそもストレスを感じにくい職場環境を実現したりできれば、メンタルヘルス不調の問題を根本的に解決する取り組みにもつながるでしょう。
また、ストレスチェックによって高ストレス者と判定された労働者が、産業医などの面接指導を受けた場合、面接を担当した医師から実施事業者に対して意見書や報告書が提出されるので、事業者は必要に応じて様々な措置を講じやすくなります。
そのため、ストレスチェックはあくまでもメンタルヘルス不調の一次予防であると同時に、抜本的な問題解決策としても期待されています。
例えば、先輩や上司など周囲へ相談できないと感じている従業員が多ければ、社内コミュニケーションを活性化させるツールを導入や、指導体制を見直しといった改善プランを検討できるでしょう。
また、業務内容の過度な負担や、特定の労働者にばかり負担が偏っていると考えられたりすれば、労働者のスキルアップ研修を実施する、業務チームの再編成を行う、マニュアルを整備して業務の属人化を解消する、といった具体的な対策を進めることも可能です。
前回のストレスチェックから今回のストレスチェックで、全体的にどのような変化があったか知ることで、前回のストレスチェック後に実施した対策の効果や有効性を冷静に把握することができます。データの変化次第で、改善プランの継続や変更など、次の施策を打ちやすくなるでしょう。
ストレスチェックで高ストレス者と判定された人に対しては、産業医などの面接指導を促し、状況改善に向けた取り組みを推奨するよう定められています。
高ストレス者の中には、なかなか産業医の面接を受けようとしない人が少なくありませんが、社内全体で産業医へ相談しやすい環境づくりを整えることで、高ストレス者だけでなく労働者の全員にとってもメリットを共有しやすくなる点は重要です。
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