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既存の機器を使ったマークシートの「スキャン方式」とは?
マークシートの導入を検討する際、高額な専用読み取り機の購入が必要だと思い込んで二の足を踏んでしまうケースは少なくありません。しかし現在は、オフィスにある複合機や市販のスキャナを活用するスキャン方式が、コスト削減と業務効率化の両面で大きな注目を集めています。この記事では、専用機を使わずにマークシートを実施する具体的な仕組みや手順、失敗しないための機器設定のコツについて詳しく解説します。
「マークシート×スキャン」方式とは?
職場の複合機や市販スキャナがそのまま使える仕組み
かつてマークシートといえば、OMRと呼ばれる専用の読み取り機が必須でしたが、技術の進歩により状況は変わりました。スキャン方式とは、解答用紙を汎用的なイメージスキャナや複合機で読み取り、画像データとしてパソコンに取り込んだ上で、専用のソフトウェアを使ってマーク位置を判定・集計する方法です。
読み取りセンサー自体は一般的なスキャナの機能を使うため、特別なハードウェアを追加で購入する必要がありません。すでに学校の職員室や企業のオフィスに設置されているコピー機や複合機、あるいは家電量販店で手に入るドキュメントスキャナをそのまま流用できる点が最大の特徴であり、導入のハードルを一気に下げた要因となっています。
専用機(OMR)と比較した際のコストメリット
スキャン方式が選ばれる最大の理由は、圧倒的なコストパフォーマンスにあります。OMR専用機を導入する場合、機器本体だけで数十万円から数百万円の初期投資が必要になる上、運用には高精度な専用用紙の購入が求められ、ランニングコストも高くなりがちです。
一方でスキャン方式ならば、既存の機器を利用するため初期費用は解析ソフトの代金のみで済みます。さらに、後述するように普通紙へのコピーで作成した自作マークシートに対応しているソフトも多いため、用紙代を含めたトータルコストを劇的に圧縮することが可能です。予算が限られている学校現場や、頻繁に社内テストを実施したい企業にとって、この経済的なメリットは非常に大きな魅力と言えます。
マークシートをスキャンして採点する手順
1. マークシート用紙の用意
導入の第一歩は用紙の準備ですが、ここでもスキャン方式ならではの柔軟性があります。メーカーから購入する既製品のマークシート用紙を使用することももちろん可能ですが、ソフトによっては普通紙に印刷したマークシートでも読み取りが可能です。
WordやExcelを使って自作した解答用紙を、普段使っているコピー用紙に印刷して配布すれば、用紙コストは1枚数円以下に抑えられます。ただし、紙が薄すぎると裏写りして読み取りエラーの原因になることもあるため、少し厚手の上質紙を使用するなど、運用環境に合わせた調整は必要です。
2. スキャン設定
正確な採点を行うためには、スキャナの設定が重要になります。一般的には、解像度を200dpiから300dpi程度に設定するのが推奨されています。これより低いとマークの判別が曖昧になり、高すぎるとファイルサイズが大きすぎて処理に時間がかかるからです。
保存形式は劣化の少ないTIFF形式や、扱いやすいJPEG形式やPDF形式が選ばれることが多いですが、使用する解析ソフトの仕様に合わせて選択します。また、カラーモードについては、モノクロ(2値)設定が基本となることが多いものの、赤ペンでの書き込みを除外して読み取るドロップアウトカラー機能を使う場合はカラースキャンが必要になるなど、目的に応じた設定を行うことが成功の鍵です。
3. 採点ソフトでのデータ取り込み
スキャンが完了し、パソコン内に画像データが保存されたら、いよいよ採点ソフトの出番です。ソフトを起動して画像データを読み込ませると、あらかじめ設定しておいた正解パターンと照合し、瞬時に採点が行われます。
最近のソフトは優秀で、画像が多少傾いていても自動で補正して読み取る機能がついているものがほとんどです。採点結果は画面上で確認できるほか、CSVファイルやExcel形式で出力できるため、成績一覧表の作成や、設問ごとの正答率分析といった二次加工もスムーズに行うことができます。
スキャン方式でよくあるトラブルと対処法
読み取りエラーが出た場合の確認ポイント
スキャン方式で最も多いトラブルは、読み取りエラーや誤認識です。もしエラーが頻発する場合は、まずスキャナのガラス面が汚れていないかを確認してください。小さなゴミや修正液の跡がついていると、それが黒い点として画像に残り、マークと誤認されることがあります。
また、用紙のスキャン時に斜めに引き込まれてしまうと、ソフトの補正範囲を超えてしまい読み取れないことがあります。用紙ガイドをしっかりと合わせることや、端が折れたり汚れたりしていない綺麗な用紙を使うことが、トラブルを未然に防ぐポイントです。
両面印刷やボールペン記述の対応について
用紙コスト削減のために両面印刷を行う場合、裏面のマークが透けて表面に影響する裏写りの問題が発生しやすくなります。これを防ぐには、スキャナの設定で「裏写り除去」機能をオンにするか、少し厚めの用紙を使用するのが有効です。
また、鉛筆ではなくボールペンでマークしてしまった場合でも、スキャン方式であれば読み取れることがほとんどです。ただし、訂正印や修正テープを使用した箇所などは誤認識のリスクが高まるため、ソフト上でその部分の画像を表示させ、人の目で確認して修正するといった運用フローを組んでおくのが安心です。
スキャン方式におすすめのスキャナ・複合機の条件
ADF(自動原稿送り装置)は必須
スキャン方式でマークシートを運用する際、実質的に必須となる機能がADF(自動原稿送り装置)です。これは数十枚から数百枚の原稿をセットするだけで、自動的に1枚ずつ送り込んでスキャンしてくれる機能です。
ガラス面に1枚ずつ用紙を置いて蓋を閉めてスキャンするフラットベッド方式では、採点作業に膨大な時間がかかってしまい、マークシート導入による業務効率化の意味がなくなってしまいます。オフィスの複合機には標準装備されていることが多いですが、市販のスキャナを購入する場合は必ずADF搭載モデルを選ぶようにしましょう。
推奨される読み取り速度
大量の答案を短時間で処理したい場合、スキャナの読み取り速度も重要な選定基準となります。目安としては、1分間に20枚から30枚以上の読み取りが可能な機種であれば、クラス単位のテスト採点などはストレスなく行えます。全校生徒分を一気に処理したい場合は、1分間に60枚以上の高速モデルが望ましいでしょう。
記述式にも対応できる
おすすめのマークシート会社2選
スキャネット
引用元:スキャネット公式HP
(http://www.scanet.jp/)
- 集計/採点用ソフトの費用
- 無料ソフトあり※有料ソフト99,000円~
- 取り扱っている
読み取り機の種類
- スキャナ44,000円~
- 導入にかかる最低費用
- 48,180円
教育ソフトウェア
引用元:教育ソフトウェア公式HP
(http://www.kyoikusw.co.jp/)
- 集計/採点用ソフトの費用
- 107,800円~
- 取り扱っている
読み取り機の種類
- OMR※費用は要問合せ
- 導入にかかる最低費用
- 622,600円
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その中でマークシート、集計/採点用ソフト、読み取り機の金額が明記されている2社をピックアップ。