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マークシートの読み取り機器「OMR」について、使い方やメリット・デメリットを詳しく解説します。OMRよりも、低コストで読み取る方法が知りたい方のために「スキャナ」もご紹介!
画像引用元:株式会社 教育ソフトウェア公式HP<https://www.kyoikusw.co.jp/omr-sr3500hybrid-plus/>
OMRとは、マークシートの読み取りに特化した専用機器のことです。OMRという名称は、英語の“Optical Mark Reader”が語源で、日本語では「光学式マーク読取装置」と言います。
OMRが開発されたのは、1930年代のアメリカ。
それから時代が進み、1960年代頃に広く知られるようになりました。OMRの普及によって、マークシート方式のテストや調査などが、一層増えていったのです。
OMRは“Optical”(光学式)の通り、マークシートの用紙に光を当て、その反射光によって黒く塗り潰された箇所を判断し、読み取ります。技術の進化によって、その精度は高まっており、99.99%正確に読み取ることができると言われているようです。
OMRはマークシートの読み取り機器ですが、購入してすぐ使用できるわけではありません。「マークのみ」「マークと記述を含む」といった、読み取るマークシートに合わせたソフトウェアを、ダウンロードする必要があります。
そして読み取りを行なう際には、必ず専用のマークシートだけを使いましょう。一般のプリント用紙は使用できませんので、注意してください。
正確性が求められる国家試験などの現場では、OMRが用いられるケースが多いとされています。例えば、マークシート用紙に紛れ込んだゴミをマークと認識したり、薄い塗りつぶしが認識されないといったことが少ないのは、専用機ならではの売りと言えます。
その一方で、デメリットとして挙げられるのがコスト面。最低限の機能だけを備えた、いわゆるローエンドモデルの場合でも、20万円~30万円です。国家試験の採点に用いられるようなものは、それこそ価格がひと桁上がることも。
「正確性に関しては少し譲歩できるけれど、費用はあまりかけられない…」という方には、スキャナで読み取るという方法をオススメします。
上記でご紹介したOMRは、あくまでマークシートの読み取りに特化した機器のため、他の用途に使用することはできません。それでいてコストが高いため、手を出しづらい方も多いでしょう。
そんな方に検討していただきたいのが「スキャナ」です。スキャナは、写真や書類を光学センサで読み取り、コンピュータに画像データとして取り込む装置。マークシートの読み取り精度となると、今まではOMRに及びませんでしたが、近年では格段に進歩し、その差は縮まってきています。
価格も、ローエンドモデルなら5万円~10万円程度と、比較的低コストで導入できます。もし30万円かけられるのであれば、かなりの高性能な機種が選べます。書類や写真のデータ化という、多様な用途があるところもポイントが高いです。
以上を踏まえると、マークシートの読み取り機器を導入する場合は、コストと精度の兼ね合いを考えることが重要だとわかります。
コストが高くても、ほぼ正確な精度を求めるのであればOMR。精度は一定レベルあればよく、リーズナブルさを重視したいなら、スキャナがオススメです。
読み取り機としての機能がそもそも違うものの、実際の製品ではどのくらい差があるのか。OMRとスキャナの違いやマークシート導入のまえに知っておきたい情報もこちらにまとまっているため、要チェックです。
「OMRを利用したいけど、購入するにはちょっと高い。どうにか安くマークシートを導入する方法はないのか」と悩んでいるなら、OMRのリースを検討してみてはいかがでしょうか。
OMR大手である教育ソフトウェアでは、通常OMRと専用用紙、専用ソフトウェアの販売しかしていません。しかし、希望者はリース会社を通すことで、OMRをリースすることもできます。
OMRをリースするうえで知っておいたほうがよいことや、リースと購入それぞれのメリット・デメリットを比較してみたので、ぜひ参考にしてください。
リースがレンタルと異なる点は、基本的に中途解約をすることができないこと。3年借りるというリース契約を結んだら、3年間はリース料を支払いつづけなければなりません。レンタルのように、使わなくなったらすぐに返却できる、という契約ではないのです。
教育ソフトウェアからOMRをリースするためには、リース会社を見つけてリース契約を結ぶ必要があります。リース会社にツテがない場合、教育ソフトウェアに相談し、リース会社を紹介してもらいましょう。
なお、教育ソフトウェアではOMRのレンタルは行っていません。試しにOMRを利用してみたい場合は、アウトソーシングを依頼するのがオススメです。
リース契約でOMRを借りると、購入するよりも圧倒的に低コストでOMRを導入できます。ただし、リース契約の場合、OMRの所有権はあくまでもリース会社にあります。毎月リース料を支払い続けて契約期間が満期になっても、OMRが自分たちのものになることはありません。リースした機器がほしくなったら、別途契約を交わして機器を買い取る必要があります。
また、リース期間が満期になったあと、継続してOMRをリースできるかどうかはリース会社の考え次第。リースの期間が終わったら、契約の更新はなしでと打ち切られる場合もあります。
原則中途解約はできませんし、解約するとしても違約金が必要です。ただ、初期費用を抑えつつOMRの現物を導入できますし、機器の処分やある程度のメンテナンスも任せることができるのがメリットです。
OMRを購入する場合、最初にまとまった金額を払うだけで、あとはマークシートの専用用紙以外の費用がかかりません。リース契約だと、長期間使えば使うほど毎月のリース料が積み重なり、いつかは「買ったほうが安い」という状況になってしまいます。
しかし、購入した機器が壊れたり、使わなくなったりした場合の処分も自分たちで行う必要があり、リースのように契約更新のタイミングで最新のOMRを導入するのも難しいです。
OMRの購入には、安くても20万円以上はかかります。マークシートを利用するのが数年程度の予定であれば、リースのほうが安く済むでしょう。
ただ、10年、15年と長い期間マークシートを使うなら、思い切って購入してしまったほうがお得かもしれません。
もし、マークシート導入のコストを最重要視するのであれば、スキャナを使うという手もあります。
スキャネットの場合、人気が高い「ScanSnap iX500」というスキャナの価格は51,840円です。OMRに比べると若干読み取り精度は落ちますが、記述式の読み取りも可能で、マークシート以外の書類をスキャンすることもできます。入試や資格試験でなければ十分対応できるでしょう。
スキャネットでは無料の読み取りソフトも充実しています。OMRを購入したりリースしたりするよりも安く導入できるでしょう。
※「ScanSnap iX500」は2022年2月時点で販売終了しています。
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OMRとスキャナの大きな違いは、専用の機械を使ってマークシートを読み取るか否かという点です。専用の機械を使ってマークシートを読み取るOMRでは、機械内部のセンサーがマークだけを瞬時に読み取って、回答結果をそのままデータ化します。マークシート用紙に印刷されていた罫線やその他の文字は一切データ化されないため、純粋にマークだけを抽出してデータ化し、シンプルかつ正確な読み取り作業を行うのです。そのため、回収したマークシート用紙を機械にセットするだけで作業が終わるのが特徴。
これに対してスキャナは用紙に書かれている文字や罫線、マークなど全てを丸ごと画像データとして一度保存し、保存された画像データをソフトが処理してマークを読み取ります。OMRとは違い、機会にセットしたマークシート用紙が「画像データとして保存」「データを読み取ってマークを抽出」という手順が挟まれるわけです。
2段階方式のスキャナと比べると、やはりOMRの方が効率的でスピーディであることは明らかです。OMRは機械購入やリースのコストがかかりがちですが、効率の面や読み取り・集計の正確性ではスキャナよりも勝っています。
OMRとスキャナを比べたとき、それぞれに特有のメリット・デメリットが存在します。OMRを選ぶメリットとしては、読み取りのスピーディさと正確性が挙げられます。対してスキャナを選ぶメリットは、コストの削減に繋がりやすい点。OMRのように専用機械を購入する必要はなく、ソフト購入だけで後は市販のプリンター・スキャナで事足りるため、リーズナブルにマークシートを導入できます。
ただしスキャナ処理は手間がかかりやすい上に、スキャナに用紙を通すときに向きが傾いたりスキャン中のトラブルが起きたりすることで、正確なデータが読み取れなくなってしまいます。そのためスキャナを使用してのマークシート処理には「ミスがあるかもしれない」ことが前提として考えられ、人の目での見直しに手間を割かれる場合も多々見られます。
正確かつスピーディなマークシート処理をしたい場合は、OMRの方がメリットは勝っています。コスト重視か効率重視か、優先したいメリットはどちらか考えて選びましょう。
専用のマークシート用紙は、四隅のうちの一つの角が斜めにカットされています。これはマークシートの「コーナーカット」と呼ばれているもので、スキャナ形式ではなくOMRのマークシート処理のみに使われています。
四隅の一角だけをカットすることで、紙の向きや表裏を一瞬で分かりやすくするというねらいがあります。コーナーカットがあるだけで、紙をセットする際のミスが減り、効率良くマークシート処理を行えるのです。
コーナーカットを含め、OMRの専用紙にはOMRが効率的にマークシート処理を行える工夫がたくさん凝らされています。そのためOMRには専用紙しかセットできないという特徴もあるのです。
OMRの読み取り機械には、オプションとして「セレクトスタッカ」と呼ばれる装置が付属することがあります。セレクトスタッカとは、読み取り後のマークシート用紙が排出される出口が2つに分かれるスタッカのことを言います。
通常は一つの出口から読み取った用紙が出てきますが、出口を二つにすることで「正確に読み取れた用紙」と「エラーが出て読み取れなかった用紙」を自動的に振り分けて、2つのスタッカに排出することができます。
セレクトスタッカを利用すればエラーの出たシートだけをまとめて対応ができるため、マークシート処理の効率が非常に良くなります。一つの出口からだと、どこにエラーの用紙が紛れているかが分かりづらく、効率の妨げになりがちです。このように出口を分けて効率を上げるのも、OMRの特徴の一つです。
読み取りが正確でスピーディなOMRは、学校や資格試験などの受験願書を受け付ける際に大活躍しています。受験願書をマークシート化させてOMRで読み取ることで、正確に志願コースや受験コードなどを自動でデータ化させることが可能。
願書の内容を読み取ってから受験番号を自動で印字することもできますから、膨大なデータ量を処理する受験シーズンには特に重宝する技術となっています。
テストを行うのは学力を確かめた上で、答案者一人ひとりに寄り添った学習方法を提案したり、学習方法や内容を振り返ったりするためです。そんなテストの意義をより高めてくれるのが、OMRによる高速で正確な採点方法。
学校や学習塾では、教室内で教壇の上でスピード採点を行うこともできます。生徒の見ている前で正確な採点を行うことで、タイムリーに間違えた箇所の復習を行うことだって可能。
スピーディな採点は学力のUPや学習方法のフィードバックに大変役立ちます。OMRであれば分速80枚という超スピードでの採点も可能になりますよ。
学習塾や進学校の特進クラスではすでに導入されている方法で、「個別トレーニング」や「繰り返し学習」の一環として、OMRを利用した問題の作成が行われています。
生徒の一人ひとりで理解度や進捗度が異なることを想定し、個人別に試験問題を作成して自動配布し、OMR採点をするというものです。自動採点が行えるため手軽に学習に取り込みやすく、繰り返し学習としても利用できるのがポイント。
個人別に成績表を作成したり、本人のやる気が出るようにモチベーションをサポートしたりといった、本当の意味で学習に役立つ使い方ができます。
すべての回答がデータ化されるOMRを利用して、テストや試験などで間違えた問題や間違えた答案者だけをピックアップして抜き出すといった活用もされています。
スピーディに誤答状況を整理することで、しかるべきタイミングでフィードバックを返し、学習方法についての見直しが行えるのがメリット。
個別指導に活用したり、授業内容や学習内容について見直したりなど、欲しいデータを欲しいタイミングで抽出して自由に活用できます。
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