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【令和5年度版】ストレスチェックに関する助成金
令和4年11月に廃止が公表された「ストレスチェック助成金(産業保健関係助成金)」。その代わりに導入されたのが「団体経由産業保健活動推進助成金」です。
しかし受けられる内容には違いがあるため、確認が必要です。このページでは、ストレスチェック助成金との違いや、受けられる条件・内容について解説します。
ストレスチェック助成金とは
ストレスチェック助成金は、小規模の事業場に対するストレスチェックの費用負担を軽減するための制度です。助成金の支給を受けられるのは、従業員数が50人未満の小規模事業場のみと決められています。
助成金の対象となるのは、ストレスチェックとストレスチェックに係る産業医活動の2つ。小規模事業場はストレスチェックを実施した後、医師による面接指導を受ると助成金の受給が可能です。
令和4年11月9日に廃止
令和4年度補正予算案にて、「産業保健関係助成金」は「団体経由産業保健活動推進助成金」として計上されるようになりました。それに伴い、ストレスチェック助成金を含めた下記助成金の廃止が発表されています。
- 小規模事業場産業医活動助成金
- ストレスチェック助成金
- 職場環境改善計画助成金
- 心の健康づくり計画助成金
- 治療と仕事の両立支援助成金
- 副業・兼業労働者の健康診断助成金
- 事業場における労働者の健康保持増進計画助成金
参照元:助成金/独立行政法人 労働者健康安全機構(https://www.johas.go.jp/sangyouhoken/tabid/2340/Default.aspx)
団体経由産業保健活動推進助成金とは
事業主団体等や労災保険の特別加入団体を対象に、産業保健活動の支援を行うための助成金が「団体経由産業保健活動推進助成金」となります。
産業医・保健師・産業保健サービスの提供事業者と契約したうえで、ストレスチェック後の職場環境改善支援などの産業保険サービスを提供する場合、活動費用の80%(上限100万円)が助成されます。
産業保健関係助成金(ストレスチェック助成金)との違い
以前の助成金との違いとして挙げられるのが「支給対象」です。改正前の支給対象が「従業員50人未満の事業所」であったのに対して、新しい助成金は「事業主団体(企業組合や同業組合、商工会、一般社団法人/財団法人など)」が対象となりました。つまり一社ごとでの申請ができなくなったため、今後は所属している団体ごとに申請する必要があります。
詳しい内容や条件について、下記で確認していきましょう。
支給要件
対象団体
助成の対象となる団体は下記のいずれかです。
- 事業主団体等
- 労災保険の特別加入団体
1.事業主団体等
下記の条件を全て満たしている団体・組織が対象です。
①下記のいずれかに該当している事業主団体である
(1)事業主団体又はその連合団体
以下の3つの要件をすべて満たしている団体を指します。
- 傘下の事業主のうち労働者を雇用する事業主が3以上あること
- 1年以上の活動実績があること
- 次のいずれかに該当する団体であること
・事業協同組合、事業協同小組合、信用協同組合、協同組合連合会、企業組合、協業組
合、商工組合、商工組合連合会、都道府県中小企業団体中央会、全国中小企業団体中
央会
・商店街振興組合、商店街振興組合連合会
・商工会議所、日本商工会議所
・商工会、都道府県商工会連合会、全国商工会連合会
・生活衛生同業組合、生活衛生同業小組合、生活衛生同業組合連合会
・一般社団法人、一般財団法人、公益財団(社団)法人
・上記以外の法人格を有する事業主団体であり、特定の条件を満たしている団体
(2)都道府県事業主団体
(1)で挙げた条件に該当しており、次の条件を満たしている団体。
- (1)の事業主団体に該当する団体のうち、都道府県単位若しくは複数の都道府県単位
で構成する事業主団体であること
- 構成事業主が10以上であること
- 構成事業主の所在地が都道府県内の複数の市区町村又は複数の都道府県であること
- 款、会則、協定書等において、都道府県内の複数の市区町村又は複数の都道府県の事
業主を構成事業主とすることが明らかであること
(3)共同事業主
次に挙げられる条件を満たしており、1年以上の活動実績がある団体。
- 共同する全ての事業主の合意に基づく協定書を締結していること
- 上記の協定書は、代表事業主名・共同事業主名・産業保健サービス提供事業に要する全ての経費の負担に関する事項・有効期間及び協定年月日を掲げるものであること
- 上記の協定書は、共同事業主を構成する全ての事業主の代表者が記名したものであ
ること
②産業保健サービスの提供対象となる構成事業主が、労働者を雇用する事業主であること
傘下の事業主に労働者を雇用していない事業主がいる場合でも、助成金の申請自体は可能です。しかし労働者を雇用していない事業主に対する産業サービスの提供は、助成金の対象とならないため注意が必要です。
ただし「全ての構成事業主を対象に産業サービスを実施する」など、サービスの費用を事業主ごとに区分することが困難な場合は助成金の対象として認められることがあります。
③労災保険の適用及び中小企業の占める割合について、下記要件を満たすこと
- 申請する事業主団体等(共同事業主については代表事業主)が、労働者災害補
償保険の適用事業主である
- 下記いずれかに該当する中小企業事業主の占める割合が、構成事業主全体の2分の1を超えている
・資本金又は出資の総額が3億円(小売業又はサービス業については5,000万円、卸売業については1億円)を超えない事業主
・常時雇用する労働者の数が300人(小売業については50人、卸売業又はサービス業については100人)を超えない事業主
④下記の条件を全て満たすこと
- 事業主団体等の事業活動状況に問題がない
- 事業主団体等の財政が健全である
- 過去に補助金等の不正使用等事案がない
- その他、事業実施上の問題がない
2.労災保険の特別加入団体
労働者災害補償保険法 第33条第3号または第5号に該当する団体で、1年以上の活動実績があり、次の要件をすべて満たす団体である必要があります。
- 特別加入団体の事業活動状況に問題がない
- 特別加入団体の財政が健全である
- 過去に補助金等の不正使用等事案がない
- その他、事業実施上の問題がない
参照元:「団体経由産業保健活動推進助成金」の手引き(令和5年度版)/独立行政法人 労働者健康安全機構(https://www.johas.go.jp/Portals/0/data0/sanpo/sanpojoseikin/R5/org_josei_tebiki_R5.pdf)
助成対象となる産業保健サービス
対象となる産業サービスは、いずれも医師・看護師・保健師または産業サービスに関する事業者と契約したうえで提供される内容が対象です。
- 健康診断結果の意見聴取
- 保健指導
- 面接指導・意見聴取
- 健康相談対応
- 治療と仕事の両立支援
- 職場環境改善支援
- 健康教育研修、事業者と管理者向けの産業保健に関する周知啓発
ストレスチェックに関する項目としては、6番の「職場環境改善支援」が該当します。
職場環境改善支援には「ストレスチェック実施後の結果を活用した職場環境改善」が含まれており、これに該当した場合は助成金を受け取ることが可能です。
しかし、「ストレスチェックの導入」については助成の対象外になるため注意が必要。あくまで助成金が降りるのは「実施後の改善に関わるサービス提供」に対してのみであるため、ストレスチェックの実施は自社で負担する必要があるでしょう。
参照元:助成金説明資料/独立行政法人 労働者健康安全機構(https://www.johas.go.jp/Portals/0/data0/sanpo/sanpojoseikin/R5/org_josei_setumei_R5.pdf)
提出書類
必要な書類は主に下記の通りとなります。詳細は労働者健康安全機構のHPをご確認ください。
交付申請
- 団体経由産業保健活動推進助成金交付申請書
- 団体経由産業保健活動推進助成金事業実施計画
- 款、会則、協定書等(1年以上の活動実績、事業活動状況が分かる書類)
- 直近2年間の収支決算書(活動実績が2年に満たない場合は、直近1年間)
- 支給要領第3条第2項の事業を実施するために必要な経費の算出根拠を確認するた
めの書類(見積書など)
支給申請
- 団体経由産業保健活動推進助成金支給申請書
- 団体経由産業保健活動推進助成金事業実施結果報告書
- 次の事項が記載されている、産業保健活動を行う産業医・保健師・産業保健サービス会に関する契約書の写し
・産業保健活動の内容と契約期間
・産業保健活動に要した費用
・産業保健サービスの提供会社と契約した場合、当該産業保健活動を実施した者の氏名
- 産業医・保健師・歯科医師・看護師・精神保健福祉士・公認心理師・産業カウンセラー・臨床心理士・両立支援コーディネーター等の資格を有する場合、当該資格要件を備えていることを証明する資格の写し
- 事業の実施に要した費用の支出に関する証拠書類(領収書、費用の振込記録が分かる預金通帳等の写し)
- 労働保険概算・確定保険料申告書等の写し
参照元:「団体経由産業保健活動推進助成金」の手引き(令和5年度版)/独立行政法人 労働者健康安全機構(https://www.johas.go.jp/Portals/0/data0/sanpo/sanpojoseikin/R5/org_josei_tebiki_R5.pdf)
【令和5年度】助成金申請の期間・方法
実施計画提出の受付期間
今年度の募集期間は下記の通りです。
令和5年6月1日(木)~令和5年7月31日(月) 必着
ただし、期日前であっても予算上限に達した場合は受付終了となるため、早めに提出するようにしましょう。逆に予算の上限に達していない場合は、期日後も受付を行う可能性があります。
承認期間・対象・支給申請期日
上記受付後は、原則30日以内に計画の承認可否が行われます。助成される金額は、承認期間中(最長R6年1月24日まで)にかかった費用の80%が対象となります。また計画を承認された期間後、最終日から30日後またはR6年1月31日までに支給申請を行う必要があるため、申請のタイミングを必ず確認するようにしましょう。助成金の支給は令和6年3月31日までとなっています。
申請方法
令和5年5月22日より、申請は下記の方法で行うことができます。
- 郵送(簡易書留またはレターパックプラス
- Googleフォーム
- jGrants(電子申請システム)
1の送付先に関しては、下記の住所となります。2・3の申請先の詳細に関しては、労働者健康安全機構のHPを確認すると良いでしょう。
送付先
〒211-0021
神奈川県川崎市中原区木月住吉町1-1 事務管理棟
独立行政法人労働者健康安全機構 勤労者医療・産業保健部 産業保健業務指導課
参照元:助成金リーフレット/独立行政法人 労働者健康安全機構(https://www.johas.go.jp/Portals/0/data0/sanpo/sanpojoseikin/R5/org_josei_leaflet_R5.pdf)
まとめ
事業者にとって従業員の安全や心身の健康管理は大切な業務のひとつです。ストレスチェックで従業員のメンタルヘルスを把握し、職場環境の改善を行うことで個々の生産性の向上に繋がるでしょう。しかしメンタルチェック後の職場改善にはコストがかかるため、ストレスチェックをうまく活かせないケースも。助成金を利用して費用を抑え、従業員の健康をサポートしましょう。
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