大学入試テストが2020年から大きく変更となります。それに伴って大学入試対策を行っている高校や塾ではマークシートを導入したり、逆に廃棄を検討したりと、対策を切り替える場面に当たるでしょう。
ここでは、大学入試がどのように変わっていくのかという解説に合わせて、マークシート問題の作成や読み取りを行うサービスを導入すべきかどうかを考察してみました。
大学入試はマークシート中心のセンター試験から、一部記述ありの「大学入学共通テスト」という形に変わります。マークシート中心であることは変わりませんが、マークシートの問題の出し方はいままでと違った出題方法を導入するようです。
これまでのマークシート問題は、「これらの中から正解を選びなさい」と問われて、選択肢の内どれか一つが正解に当たる形式がほとんどでした。
しかし、これからは「当てはまるものを全て選びなさい」と選択数が指定されていなかったり、正解が2つ含まれていたりと、出題形式にも幅が生まれていきます。
マークシートの記述以外に、大きく変更があった「国語」「数学」「英語」についても紹介します。
これまで通りのマークシート問題にプラスして、80~120文字程度の記述式問題が出題される予定です。2017年に行われた新しい大学入試のプレテストでは、生徒たちの会話や部活動規約の文章をテーマに出題されています。
心配なのは時間ですが、記述問題が増えた分の解答時間の増加は検討され、20分程度伸びる予定です。
マークシート問題にプラスして3問程度の記述式問題が出題されます。これまでの数学問題は、解答のみの記述だったため、どのように答えを導き出したのかの過程が不明瞭でした。記述式を取り入れることによって、その過程まで見えるようになる予定です。
ちなみに、プレテストの結果では3問ともそれ以外のマークシート問題と比べると正解率が低く、無解答提出も少なくなかったとのこと。こちらも解答時間が10分程度伸びる予定です。
英語は読む・聞く・話す・聞くの4技能を評価するテストに変わります。
これまでのセンター試験では読む・聞くの2技能のテストはありましたが、話す・書くを評価する問題が用意されていませんでした。グローバル化により英語の必要性が年々高まる世の中の運びに合わせて、読み取るだけでなく自ら発信する技能をテストする必要が出てきたと言われています。
けれど、実際受験生一人ひとりと面談を設けて英語を話してもらったり、書いた英文を一つひとつチェックするのは、大学側には荷が重すぎます。そのため導入されるのが、英検やTOEFLなど広く英語の実力を評価する民間資格の利用です。
高校3年生の4月~12月の間に、提携している民間資格を受けることで、その結果が英語の実力を判断するというテストになります。
大学の入試方法は新しく切り替わりますが、切り替わった後もマークシート式は採用され続ける予定です。そのため、マークシート式での問題対策は行っていくべきと言えるでしょう。
むしろ、記述式が増えるからこそマークシート対策をさらに強化する必要があります。理由は以下の2点です。
マークシート対策をしっかり行うことで、より効率的に合格を狙えます。
記述式の問題はどうしても時間がかかります。出来れば余裕を持って解答に挑みたいところですが、そうもいきません。
切羽詰まっている状況で、マークシートの解答欄が一つズレてしまったり消し漏れのミスをしてしまったりすると、記述式の問題を解く時間が奪われてしまうでしょう。
数学のプレテストでは、記述式問題の無回答者が多いという結果が出ていました。
つまり、マークシート式の問題を素早く解く練習をして記述式問題にあてられる時間を増やせば、ライバルに差をつけられるのです。塾や高校のテストでマークシートを導入すれば、生徒たちはマークシートを素早く溶けるようになり、合格に一歩近づけるでしょう。
誤字脱字や数字の単位など、ちょっとした記述ミスをひとつひとつ採点するのは大変です。採点に時間がとられると、それだけ生徒のサポートや課題分析に時間を割けなくなってしまいます。
マークシート用紙や読み取り機、ソフトなどを導入すれば、マークシート式から記述問題まで自動で採点してくれるので、生徒をサポートする時間を増やせるでしょう。
また、採点のミスを防ぐためにも専用の機械に任せたほうが効率的だと言えます。
2019年12月14日に文部科学省は、2021年1月に実施される大学入学共通テストにおいて、国語と数学の記述式問題の導入が見送られることが発表されました。この決定については様々な意見が飛び交っています。記述式問題導入見送りとはどのようなことなのか、具体的に見ていきましょう。
記述式問題の解答例は多岐に渡ります。一人ひとり解釈や使用する言葉も異なり、採点基準が想定していない解答が出されることも充分に考えられるでしょう。大学入学共通テストでは50万人もの受験者が試験を受けるため、採点期間が約20日間と短い大学入学共通テストにとってはそれが最大の問題とされていました。
それに対して、大学入学センターから採点する業務を任されたベネッセグループの企業は、1万人体制で採点にあたる方針だったようです。しかし、適切な判断をできる採点者を確保できるのか、正解不正解の境界線を明確に定められるのかという問題から不安視されていました。
記述式問題は受験者自身での自己採点が難しいということが、マーク式問題との大きな違いです。特に国語の記述式問題は、解答を読んで自分の答えた内容と合っていたのかを判断するのに一定の読解力が必要となります。国立大学を目指している受験生は、自己採点の結果によって出願先を決めるのが通常の流れです。自分が何点取れているのか把握しにくいという問題から、出願先を決めにくくなるのではということが懸念されていました。
これらの経緯から記述式問題を導入することによって、混乱を招く可能性があるとの意見があり、今回の導入見送りという決定に至ったとされています。実際の採点者が実施数ヶ月前まで確定していないことも、理由として挙げられました。
今回、記述式問題の導入が見送りとなったことで「良かった」と考える受験がいる一方、「対策をしてきたのに」と戸惑う受験性もいたようです。
今回の変更において、「解答のしかた」については変更がありますが、「出題のしかた」についての変更は見られませんでした。国語の問題作成方針においては、
ことなどを求めるとされていたのが、目的や場面などに応じて文章を書いたりする力などを求めるとなっています。記述式の解答を求めてはいないが、間接的に記述力を問うと予告されていました。
大学入試共通テストは、大学への入学志願者を対象に、高等学校の段階における基礎的な学習の達成の程度を判定して大学教育を受けるために必要な能力を把握することを目的としているものです。
大学入学共通問題作成方針において、大学入試共通テストは高等学校教育の成果として身につけた大学教育の基礎力となる知識・技能や思考力、判断力、表現力を問う問題を作成・出題すると記載されています。
知識、技能だけでなく思考力、判断力、表現力も問われる問題が出題されるはずです。試行調査問題では、多くの科目で生徒同士や生徒と教員が会話するような問題が出題されました。数学Ⅰの試行調査問題では、社会生活や日常生活の中から問題を見つけ出し、解決方法を構想する場面の問題が出題されています。
また、政治や経済の試行調査問題では、多くの資料や統計データを用いて考察するような問題も出題されています。
大学入学共通テストの作問方針を見てみると記述式問題導入見送りの影響はなく、これまでに養ってきた知識を活用したり、思考したりして解答するテストであるといえるでしょう。
解答の方法は大学入試センター試験と同じく、全科目・全問題がマークシート式となっているので大学入試センター試験と大学入学共通テストはあまり違いがないように思われるかもしれません。ですが、問題の問われ方は大学入試センター試験と大学入学共通テストでは同じではないことが見て取れます。そのため、記述式問題導入が見送りになったとはいえ、これまでの大学入試センター試験と同じ対策をしているだけでは対策は不十分でないといえるでしょう。
記述式問題導入が検討されたのは、社会的な変化により大学入試改革の必要性が謳われていたからです。将来を見通すことが困難になっている現代では、高校生の子が社会に出る頃には社会が大きく変わっている可能性が高いといわれています。そんな社会に適応できる人材を育成するためには、社会に対応した大学入試試験へと改革をする必要があるのです。
これまでの大学入試センター試験では「知識」と「技能」が重要視されていました。今では大学入試改革では「思考力」「判断力」「表現力」が必要であるとされています。
近年は科学技術が発展しており、10年〜20年後には日本の労働人口の約49%が人工知能やロボットなどで代替可能になるといわれています。このような変化の激しい現代社会において、活躍できる資質・能力を備えた子どもの育成が必要です。
現代社会ではグローバル化も進んでいます。海外で働く人や海外から日本に来て働く人が増え、英語でコミニュケーションを取らなくてはならない場面も急増しました。そのため社会の中ではリスニングやリーディングなどの限定的な能力だけでなく、コミニュケーションが取れる程度の英語力が必要とされています。
このような背景から、文部科学省は大学入試改革として記述式問題の導入が必要だろうと考え、検討されてきました。
大学入試改革の最大の変更点は、大学入試センター試験が廃止され、大学入学共通テストが導入されるという点です。試験が変わることによって過去問題数が少なくなるため、受験生が抱える不安も大きくなります。
ですが、センター試験と比べても各教科の出題範囲数は基本的には変わりません。試験内容の変更点としては、実際の社会で目にするような契約書などの文書を読み解く問題が増える点です。長い文章で書かれた文書の中から適切な情報を理解し、問題を解いていく能力が求められます。
マークシート式問題は、人から与えられた選択肢の中から、一つ一つ重箱の隅をつつくように間違いを探し、消去法で正解を選ぶという試験です。そのためマークシート式試験の勉強ばかりをしていると、ミスや欠点を見つけるのは速くなります。記入が一段ズレると0点になってしまうことから、正確性も必須です。
これまでの工業社会においては、機械が製造を行い、製品の欠陥を見つけ出していたのは人間で、まさにマークシート式問題で養われるような能力が必要とされていました。ですが科学技術が発展し、ロボットやAIが普及している現代社会では欠陥を見つけたり、正確性が必要となったりするような仕事はAIに取って代わられてしまうのです。
そのような背景から、新しい学習指導要領や大学入試改革はAIにはできない、人間にしかできない能力をいかに身につけさせるかを重要視しています。
学習指導要領にも「言語活動の充実」が掲げられ、「書くこと」「読むこと」が重要視されていました。ですが、大学受験を前にした多くの高校の現場では、記述・論述に力が入れられていないのが現状としてあります。その中でも東大や京大、一橋大など国立のトップ校の二次試験や慶應大の入試では、以前から記述式を導入していました。
大学を狙う受験生はマークシート式問題を解いていく勉強だけでなく、思考力や判断力、表現力などを養う勉強を熱心にしています。しかし、これまで国立大の約半分と慶應大以外の私大はマークシート試験のみだったのです。
大学入学共通テストにおいて、国語では記述式問題が現代文の部分に導入される予定で、長いもので80〜120字で解答するものでした。小問は3段階で評価され、それを元に大問全体として5段階で結果が出されるという仕組みです。それに伴い、試験時間を20分程度延長する予定だったとのこと。国語においては、マークシート部分とは別に記述式問題の結果が提供されるため、大学側で利用しないという選択も可能でした。
数学については、短答式の問題で数式や語句を答えるものが導入され、それに伴い試験時間を10分程度延長されています。国語と違ってマークシート部分と一体で結果が出されるため、大学側で利用しないと判断するのができない状況でした。
英語については高校3年生の4〜12月に英検やGTECなど、民間の資格・検定の中から国が認定した試験を受けてもらう方針でした。従来のセンター試験で測ってきた「読む」「聴く」に加えて、「話す」「書く」を含む4技能を評価するのが目的とされています。録音機器を使用して、共通テストでスピーキングなどの試験を実施することも検討されていました。
大学入学共通テストでは、身につけた知識や技術を元に思考力・判断力・表現力を用いた解答が求められます。それを実践するには出題範囲の知識をしっかりとインプットできるか、本番を想定してアフトプットする経験をどれだけ積めるかが重要になってくるでしょう。
例え習ったことのない範囲の出題であったとしても、これまで身につけた知識で思考し、判断し、表現して解答していくような学習が必要になります。
採点ミスは、単なるミスにとどまりません。信頼にも影響を及ぼします。採点ミスが起きてしまうと、受験者たちからの不信感だけではなく、その後の受験生たちへの影響も発生してしまうでしょう。ミスが起きるとなれば、それまでの勉強により積み重ねてきた努力が、不可抗力で無駄になってしまう可能性があることを意味します。
合格点数に満たず、不合格となってしまうのであれば自分自身の努力不足だと割り切ることもできるでしょう。時間はかかるかもしれませんが、次のテストへモチベーションを切り替えられます。
しかし、採点ミスの場合は、受験者にとっては努力で何とかなる部分ではありません。以降、受験者たちから「あそこは採点ミスがあるから受験にリスクがある」といったイメージを持たれてしまう可能性もあります。
採点ミスが大きなマイナスイメージをもたらしてしまう点を踏まえると、採点には正確性が求められます。しかし、全て人間の手で行うとなれば時間もかかりますし、コストも増えてしまいます。どうしてもリソースを割くことになるので、会社として他の仕事が疎かになってしまうのがデメリットです。
これらの点を踏まえると、正確性が何よりも大切であることは言うまでもありません。正確な採点システムを導入することで、リソースにも好影響をもたらせるのがメリットです。もしも採点システムが信用できるものだと判断できれば、それまで採点に割いていた人間のリソースを他の仕事に回せます。
採点システムの採用はリソースだけではなく、コスト面においてもメリットが期待できます。それまで採点の時のみアウトソーシングだったり、期間限定でスタッフを雇っていたりする場合、それらのコストが不要となります。採点、さらには採点にミスがないのかの確認などに割いていた人的資源や費用を軽減できるのが、採点システムのメリットです。
採点ミスによるデメリット、そして採点しシステム導入によるメリットを踏まえると、採点システムに多大なニーズがあるのも納得できます。採点システムにも様々な種類があるので、それぞれの採点システムの特徴をチェックし、比較したうえで導入することが大切です。職場に合ったシステムであるか、コストは導入前と比べて軽減されるのかなど、さまざまなポイントを調べたうえで検討しましょう。
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